エラベノベル堂

視線の奥

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COMIC X-EROS #76

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コミックグレープ Vol.148

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4章 / 全10

土曜の昼下がり、インターホンも鳴らさずに玄関のドアが開いた。 「よお、和也。生きてるか」 聞き慣れた声。高梨誠だ。彼は勝手に靴を脱ぎ、リビングまで上がり込んできた。 「おい、勝手に入るなよ」 「いいだろ、鍵渡したの俺だし」 リビングで勉強していた結衣が、眉をひそめて顔を上げた。 「高梨さん...何しに来たんですか」 「ひっどいな。様子見に決まってるだろ」 高梨は勝手に冷蔵庫を開け、麦茶を取り出した。 「如月ちゃん、試験勉強順調?最近、駅の近くで変な奴に絡まれたって聞いたけど、大丈夫」 結衣の表情が固まった。 「...誰から聞いたんですか」 「俺の情報網、舐めないでほしいな。夜道は気をつけなよ」 彼はニヤニヤしながら、僕に意味深な視線を送った。何かを伝えようとしている。だが、その意図は読めなかった。 「佐藤、お前もちゃんと仕事してるか。相変わらず無能扱いされてるのか?」 「...相変わらずだよ」 「まあ頑張れよ。ここでの生活、悪くないだろ」 高梨は二時間ほど滞在し、結衣の勉強の進捗をしつこく聞いたり、僕の職場での失敗を面白おかしく語ったりした。結衣は終始、警戒心を解かなかった。 「あの人、苦手」 彼女は小声で言った。帰り際、高梨は僕だけに聞こえる声で囁いた。 「如月ちゃんのこと、頼むぞ」 扉が閉まると、結衣が吐き捨てた。 「あの人、嫌い」 「大学時代からの友人だけど」 「信用できない。何か隠してる」 彼女の直感は鋭い。僕も何か引っかかるものを感じていた。高梨の最後の言葉。ただの友人への頼み事には聞こえなかった。もっと切実な、何か。夜、結衣が風呂から上がった後、僕は彼女に聞いた。 「高梨と何かあったの」 「ない。ただ、あの人の目が嫌いなだけ」 彼女はそう言って、自室に戻っていった。だが、その背中には微かな震えがあった気がした。

4章 / 全10

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