エラベノベル堂

仮面の下の素顔

18+ NSFW

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2章 / 全10

哲也は美奈のスマホ画面に並ぶ脅迫メッセージをもう一度見つめた。住所を特定され、実生活にまで害が及んでいる——それは単なるネットの荒らしではない。明確な悪意を持ったストーキング行為だ。 「俺、こう見えても昔、探偵の真似事みたいな仕事をしてたことがあるんだ」 哲也はグラスを置き、美奈の目を真っ直ぐに見た。 「証拠集めから、犯人特定まで。引き受けるよ」 美奈が目を丸くした。 「えっ、でも……私、そんなことお願いするつもりじゃ」 「美奈ちゃんは俺の店の大事な常連だ。身内が傷つけられそうになって、黙ってられるか」 その言葉に、美奈の目から涙が溢れた。 「哲也さん……ありがとうございます。本当に、ありがとうございます」 彼女が袖で涙を拭っている間、哲也は思考を巡らせていた。美奈が話していた 「親切な同僚」 ——佐田という男。彼女は最近、その男が少し 「踏み込んでくる」 と言っていた。予定をやたら詳しく知っていたり、SNSの投稿に即座に反応してきたり——。美奈が帰った後、哲也は店の外に出て煙草に火を付けた。夕暮れの商店街は人影もまばらだ。ふと、通りの向こうに見覚えのない男が立っていることに気づいた。三十代前半くらいの、平凡な風体の男。だが、その視線は明らかに 「琥珀」 の方へ向けられていた。哲也が目を合わせると、男は慌てたように視線を逸らし、足早に立ち去っていった。 「……佐田か」 美奈から聞いていた特徴に合致する。もしそうなら、この男は美奈がここに来ることを知っていたことになる。哲也は煙草を消し、冷ややかな決意を胸に店へと戻った。美奈をこの悪夢から解放する——そのためなら、どんな手も使うつもりだった。

2章 / 全10

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