エラベノベル堂

謝罪ごっこ

18+ NSFW

小説ID: cmod0svrp0c5901llv9wqqyli

6章 / 全10

朝、リナはスマホを開いた瞬間に凍りついた。通知が鳴り止まない。SNSのトレンドに自分の名前があった。無関係な事件——ある人気配信者の不祥事——がきっかけで、コスプレイヤー全体への批判が勃発し、その矛先が彼女に向けられたのだ。 「消えろ」 「死ね」 「お前らも同類だ」 「目立つから調子乗ってる」 デマがデマを呼び、リナのアカウントには数千件の誹謗中傷が殺到していた。 「……なんで」 リナはスマホを握りしめたまま、床に座り込んだ。何もしていない。ただ、コスプレを楽しんで、ファンと交流していただけなのに。やり場のない怒りと悲しみで、胸が張り裂けそうだった。 「リナ?」 事務所に入ってきたカイトが、彼女の様子に気づいて駆け寄る。 「どうした」 「……見て」 リナは震える手でスマホを差し出した。画面に映る言葉の数々。カイトの眉が釣り上がる。 「……クソッ」 彼は思わず悪態をついた。無関係な事件に巻き込まれたのだ。ある配信者の不適切な発言が炎上し、関連するクリエイター全員がターゲットになっている。 「消えろ……」 リナが虚空を見つめながら呟く。 「私、消えた方がいいのかな」 その声に、生気はなかった。カイトは彼女の肩を掴んだ。 「バカなことを言うな」 「だって、みんなが……」 「お前は何も悪くない」 カイトの声が低い。 「悪いのは、こういうことをする連中だ」 リナの瞳から涙が溢れる。 「でも、もう無理……嫌われたくないのに、こんなにたくさんの人に……」 彼女は顔を覆って泣き崩れた。 「引退、した方が……」 「許さない」 カイトの言葉に、リナが顔を上げる。 「俺が許さない。お前の才能を、こんな連中のせいで潰させるわけにはいかない」 彼は震える彼女を強く抱きしめた。 「……任せろ。なんとかする」 その言葉は、自分自身への誓いでもあった。カイトの中で、ある策が芽生え始めていた。

6章 / 全10

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