エラベノベル堂

絵筆で未来を描き変える

18+ NSFW

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6章 / 全10

タクミは廊下の陰に身を潜めながら、警備員の巡回ルートを確認していた。先程の観察で、制御室への侵入経路を見つけていた。研究員たちが交代する五分の隙。それが唯一のチャンスだ。 「今だ」 彼は素早く廊下を横切り、制御室のドアの前に立った。電子ロックのパネルが光る。備え付けの端末からハッキングツールを接続し、セキュリティを突破する。 「警察のシステムより脆いな……」 ドアが無音で開いた。中には誰もいない。複数のモニターが青白い光を放っていた。タクミはメインコンソールに向かい、キーボードを叩いた。画面に研究データが次々と表示される。 「プロジェクト・パープル……何だこれは」 彼は眉をひそめた。ファイルを開くと、衝撃的な文書が現れた。『伝染病K-7は、人口管理目的で設計された人工ウイルス。感染率及び死亡率は全て統制下にあり、ワクチン開発の必要性は当初より不存在』 「……嘘だろ」 タクミは画面をスクロールさせた。更なる真実が彼を待っていた。『被験体M-01から抽出されるフェロモン物質は、服用者に支配への服従を誘発。現在、都市の上層部及び警察組織の幹部へ供給済み』ミサキから搾取されていたのは、人を支配する薬の原料だった。彼女が感じ、快楽に溺れるほどに、その効果は増強される。 「ミサキ、お前は……」 タクミの手が震える。そして、最後のファイル。彼自身の名前があった。『候補者リスト、監視者プログラム。タクミ・シラトリ、評価A。警察組織への勤務及び被験体との接触履歴より、監視者として適合と判定』 「俺が……監視者?」 全てが筋道通りすぎていた。警察官採用試験の際の特別選考、ミサキとの再会、そしてこの状況。彼は最初から、この物語の一部として組み込まれていたのだ。 「くそっ……全部、仕組まれてたのか」 タクミはモニターを殴りつけそうになり、堪えた。今感情に任せて騒げば、全てが終わる。彼は深呼吸をした。法規制の知識、この施設の違法性、そしてここから抜け出すための切り札。全てを頭の中で組み立てる。研究責任者の名前、コード、権限構造。彼は震える手でデータをコピーし、小型端末へと保存した。 「ミサキ、絶対に助ける。この真実を、暴いてやる」 決意を胸に、タクミは制御室を後にした。だが、その背後でモニターが不気味に点滅していたことを、彼は知らない。

6章 / 全10

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