エラベノベル堂

毒の華

18+ NSFW

小説ID: cmofdebsp004a01kd2soqm3d3

4章 / 全10

灼熱の太陽が頭上を焼きつける中、直樹は重い石を担ぎ見張り台の建設現場へと運ばされていた。汗が滴り落ち、傷ついた手首の鎖が皮膚を擦る痛みに耐えながら、彼は密かに周囲の草むらへ視線を走らせていた。 「おい、あそこの草、なんだ?」 見張りの兵士が指差した先に、白い小花をつけた植物が生えていた。直樹の心臓が跳ねた。トリカブトだ。少量で麻痺を引き起こし、大量なら心停止させる猛毒。 「ただの雑草です。根っこが深くて邪魔なんです」 直樹は無表情を装い、答えた。兵士は鼻を鳴らし、背を向けた。その瞬間、直樹は素早く花と葉を摘み取り、褌の間に隠した。夜、地下牢に戻った直樹は、窃盗した小さな陶器の破片を皿代わりに毒草を広げた。月明かりが隙間から差し込み、薄暗い中で作業を進める。 「莉音……」 彼女の名前を口にすれば、胸が締め付けられる。記憶の中の莉音が蘇る。小屋で交わした熱い夜、彼女の滑らかな肌の感触、甘い声。 「直樹、もっと奥まで……あっ、好き、大好き」 回想の中で莉音が身をよじり、彼自身を飲み込んでいく秘所の熱さを思い出す。あの柔らかな肉壁の締め付け、彼女が絶頂に達した時の痙攣。全てが奪われた。 「待ってろ、必ず助ける」 直樹は拳を握りしめた。即効性の毒では敵を全員倒せない。段階的に効く毒が必要だ。彼は以前見つけた毒虫の死骸と毒草を混ぜ合わせ、石で丁寧にすり潰した。粘り気のある液体ができあがる。これを飲み物に混ぜれば、数時間後に症状が出る。逃げる時間を稼げる。 「おい、見張りが寝たぞ」 隣の男が囁く。直樹は毒を小さな布切れに包み、懐の奥深くに隠した。復讐の道具は完成した。あとは機会を待つだけだ。 「莉音、生きていてくれ」 暗闇の中、直樹は彼女の無事を祈り続けた。

4章 / 全10

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