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魔法が消える夜

18+ NSFW

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7章 / 全10

夜風の中、ミキの身体が小さく震えた。チハヤは彼女をビルの陰に座らせ、状況を整理した。 「……まだ、終わってない」 ミキが苦しげに呟く。 「私の魔力の一部が……あの中に残ってる。これじゃあ、完全には自由になれない」 チハヤはジャケットを彼女にかけ直し、立ち上がった。 「わかった。じゃあ、取り返しに行く」 「えっ? でも——」 「待ってろ。すぐ戻る」 彼はリュックからタブレットを取り出し、ビルの外壁に設置された監視カメラの信号をキャッチした。映像編集者の技術が、ここで真価を発揮する。 「カメラの映像、暗号化されてるけど……解析ソフトで突破できる」 指先が画面を滑る。モニターに次々と表示される映像。敵の配置、警備のルート、そして最深部に光る不気味な装置。 「あったな。魔力の結晶、ってところか」 チハヤは廃ビルの裏口から再び侵入した。今度は正面突破ではなく、完全に隠密行動だ。ドローンを先行させ、カメラの死角を特定する。 「カット割りは完璧。次はカメラが切れる三秒間で進む」 廊下を進むと、見張りの異形が立っていた。チハヤは呼吸を整え、床に細工をした。編集用ケーブルを張り巡らせた即席の罠。異形が歩き出した瞬間、ケーブルが足を捉え、体勢を崩す。そこへ閃光弾を転がした。 「……カット」 強烈な光が炸裂し、異形が悶絶する。チハヤは駆け抜けた。 「音と光、そしてタイミング。映像編集と変わらない」 さらに奥へ進むと、広間に出た。中央には透明な容器に封じられた光の球——ミキの魔力の一部だった。周囲には三人の異形が守りを固めている。 「数は三人。正面は無理だ」 彼は天井を見上げた。通気口。そこからドローンを飛ばし、スピーカーから警報音を流す。異形たちが音の方向へ向いた瞬間、チハヤは閃光弾を三つ同時に投げ込んだ。 「撮影終了!」 光が満ち、異形たちが悲鳴を上げる。その隙に彼は容器に駆け寄り、タブレットでセキュリティを解除した。光の球が解放され、チハヤの手の中に収まる。 「これで……終わりだ」 背後から冷たい声が響いた。 「人間、いい度胸だ」 振り返ると、最奥からより大きな異形が現れた。リーダー格だ。 「だが、ここからは逃がさない」 チハヤは光の球を懐にしまい、ニヤリと笑った。 「逃げる? 誰が?」 彼はポケットから最後の仕掛けを取り出した。音響妨害装置を最大出力に設定し、床に置く。 「お前たちの弱点、もう編集済みだって言ったよな」 スイッチを入れた瞬間、ビル全体が振動し始めた。

7章 / 全10

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