エラベノベル堂

禁書の継承者

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第9章 / 全10章

夏休みが半分を過ぎた頃、花奈の生活は完全に狂っていた。朝目が覚めれば悠馬を呼び出し、書斎で身体を重ねる。昼食後は庭の物陰で、夕方は廊下や客間で。祖父の官能小説のページを消化するペースが、花奈の性欲を加速度的に高めていた。 「花奈、今日はもう三回目だぞ」 悠馬が疲れた声で言う。書斎のソファで、花奈は彼の上に跨っていた。 「まだこのページが残ってる」 花奈はノートを指差す。『彼は彼女を抱き上げ、壁に押し付けて貫く』 「体力が持たないって」 悠馬が訴えるが、花奈は腰を落とし、彼自身を深く飲み込んだ。 「んっ……悠馬の中、私のことでいっぱいになってる」 花奈は恍惚とした表情で腰を揺らす。最初は実験だったはずだ。本の記述を確認するだけの、単なる研究。でも今は違う。悠馬の熱を感じないと落ち着かない。彼の中で果てないと満たされない。 「花奈、最近、俺のことじっと見るよな」 悠馬が不思議そうに言う。 「だって、悠馬は私のものだから」 花奈の口から独占欲が溢れる。 「研究のパートナーでしょ」 悠馬が苦笑する。 「それだけじゃない」 花奈は腰の動きを止めた。 「え」 悠馬が戸惑う。 「最初は実験だった。でも、今は違う」 花奈は悠馬の顔を両手で包んだ。 「悠馬が好き。私のこと、離さないで」 悠馬の目が優しく細められる。 「俺もだよ」 彼が花奈の腰を掴み、下から突き上げた。 「ああっ」 花奈が背中を反らす。 「花奈は俺のものだ」 その言葉が、花奈の胸を熱くした。実験という名目が消え、二人の間に確かな感情が芽生えていた。花奈は悠馬の首に腕を回し、深く口づけをした。 「んんっ……悠馬、もっと、深く」 花奈は自ら腰を激しく揺らした。研究ノートのページなどもう関係ない。ただ目の前の愛しい人と一つになりたい。その想いだけが、花奈を支配していた。

第9章 / 全10章

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