エラベノベル堂

風が変えた夜

18+ NSFW

小説ID: cmoh91ycv036t01ru11enepmq

8章 / 全10

薄暗い店内で、二人は互いの体温を感じながら横になっていた。結花は岳の胸に顔を埋め、彼の心臓の音に耳を傾ける。規則正しいリズムが、彼女を安心させていた。 「ねえ、岳くん」 結花がポツリと呟く。 「ん?」 「私……素直じゃないね。ずっと好きだったのに、意地張ってばかりで」 岳は彼女の髪を優しく撫でながら、静かに答えた。 「わかってたよ。お前が強がってるのなん、子供の頃からずっと見てきたから」 結花が顔を上げ、彼を見つめる。その瞳は潤んでいた。 「嫌いにならなかった?私のこと」 「嫌いになるわけないだろ。むしろ、その不器用なところも含めて好きだった」 結花の胸が熱くなる。 「私、店のことばかりで……岳くんの気持ち、気づこうとしてなかった」 「気づかなくてもよかった。お前が笑ってくれれば、それで」 岳は結花の頬に手を添え、親指で涙の跡を拭った。 「これからは、素直になってもいいんだぞ。俺が支えるから」 結花は彼の手に自分の手を重ねた。 「うん……これからは、隠さない。岳くんが好き、大好き」 言葉にした瞬間、心の中にあった重りが消えた気がした。岳が優しく微笑む。 「俺も好きだ、結花。これからは恋人として、一緒に店をやっていこう」 結花は頷き、彼の唇に自分の唇を重ねた。深く、優しい口づけが交わされる。 「あのさ」 岳が口づけの合間に囁く。 「これから毎日、店終わったらこうしようぜ」 結花の顔が瞬時に赤く染まる。 「もう、岳くんのエッチ」 彼は悪戯っぽく笑い、彼女を強く抱きしめた。 「お前が好きだからだろ」 店の外では冷たい風が吹いていたが、二人の周りには温かな空気が漂っていた。閉店危機を乗り越え、二人は新たな関係の一歩を踏み出したのだ。

8章 / 全10

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