エラベノベル堂

風が変えた夜

18+ NSFW

小説ID: cmoh91ycv036t01ru11enepmq

9章 / 全10

数日後、通りを見渡すとカトレアの入り口に 「テイクアウト専門コーナー新設」 の看板が掲げられていた。 「あいつら、諦めてないのか」 岳が眉をひそめる。寒波の影響で店内客が減ったことを逆手に取り、温かい料理を持ち帰れるサービスを始めたのだ。 「お客さん、最近少し減った気がしない?」 結花が不安げに伝票を数える。確かに、昼時のピークが少し鈍っていた。その時、扉が開き莉菜が勢いよく入ってきた。 「二人とも、何ぼんやりしてるの?チャンスよ」 「チャンスって?」 「カトレアはテイクアウトに力入れてるけど、SNSでの発信が弱い。地元のお客様は温かさと居心地を求めてる。そこを突かないと」 莉菜はスマホを取り出し、ある投稿を見せた。 「これ、昨日の私の投稿。『ゆいか食堂の生姜スープ、寒い日に最高』って書いたら、大学の友達がめっちゃ反応してくれたの」 画面には、窓際の席で温かいスープを飲む客の写真と共に、たくさんのいいねとコメントが並んでいた。 「莉菜ちゃん、これ……」 「地元のコミュニティを固めれば、テイクアウトなんて怖くない。お隣同士のつながり、昔ながらの温かさ、それがこの店の真の強みだよ」 結花は目を見開いた。 「私、ずっとカトレアと競おうとしてた。でも本当は、この街の人たちに愛される店になればよかったんだ」 莉菜がニヤリと笑う。 「正解。兄さん、カメラ用意して。結花さん、一番いい笑顔で」 その日から、店のSNSアカウントが始まった。地元の常連客を紹介したり、結花の手料理の裏話を投稿したりするうち、フォロワーは急増した。 「結花さん、この前の煮込みハンバーグ、家でも作りたいんですけどレシピ教えてくれませんか」 と常連のおばさんが尋ねてくる。 「もちろんです。今度書いておきますね」 そんな温かなやり取りが日常となり、カトレアのテイクアウト戦略など霞むほどの賑わいが戻ってきた。閉店後、結花は莉菜に電話をかけた。 「莉菜ちゃん、本当にありがとう。あなたのアイデアがなかったら」 『兄さんを頼りにしてる場合じゃないよ。結花さん自身の強みを活かして』その言葉に、結花は胸が熱くなった。電話を切り、振り返ると岳が優しく見つめていた。 「おいしいスープ、作ってくれないか。祝杯だ」 結花は頷き、厨房へ向かった。湯気が立ち上る中、岳が背後からそっと抱きしめる。 「今日も、お疲れ様」 振り返ると、彼の瞳が熱く潤んでいた。唇が重なり、自然と体が寄り添う。 「岳くん……」 「愛してる、結花」 彼の熱く滾むものが、結花の秘所に押し当てられた。ゆっくりと内部へ進入し、甘い声が漏れる。 「あぁっ……んんっ」 摩擦が生む快感に思考が溶け、二人は激しく結合し合った。

9章 / 全10

TOPへ