偽装恋人としての活動が始まった。真人は週末ごとに華凛と会い、街を歩いた。カフェで茶を飲み、本屋を巡り、時には公園のベンチで何時間も話し込む。初めのうちは、華凛の表情は硬く、常に周囲を気にしていた。家の目がどこかにあるかもしれない——そんな不安が彼女を縛っていたからだ。 「ねえ、毎週こんなことしてていいの? 大学生なんでしょ」 「構わない。将棋の勉強にもなる」 「……デートを将棋に比える人なんて、初めて見たわ」 二週間が過ぎた頃、華凛が真人をある場所に招いた。京都の奥まった場所にある、古びた練習場だ。床板は黒光りし、壁には鏡が並んでいる。 「ここで、私の踊りを見てほしいの」 「なぜ?」 「……家の人は、私の踊りを藤代の看板としてしか見ない。技術がどうだの、家の名声がどうだの。でもあなたなら——あなたなら、ただ私の踊りを見てくれる気がしたの」 華凛は練習着に着替えた。そして音楽もなく、ただ静寂の中で舞い始めた。真人は息を飲んだ。これまでテレビや舞台で見たどの舞踊とも違う。そこには技術以上のもの——魂の叫びのような、痛々しいほどの美しさがあった。 「……綺麗だ」 踊りが終わったあと、真人は一言だけそう言った。華凛の目が大きく見開かれる。 「上手いとか下手とかじゃない。お前の踊りには、何かを訴えかけるものがある。それが美しいと言ったんだ」 「……家の看板として、じゃなく?」 「ああ。お前自身の踊りだ」 華凛の瞳から涙が溢れた。彼女は真人の胸に顔を埋め、声を殺して泣いた。どれくらいの間、そうしていたのだろう。やがて彼女が顔を上げたとき、その瞳には別の色が宿っていた。 「真人さん……私を、抱いて」 夜の練習場で、二人の唇が重なった。最初は触れるだけの口付けが、やがて深く貪り合うものへと変わっていく。華凛の練習着が床に滑り落ち、白い肌が露わになった。真人は彼女の豊かな膨らみに手を伸ばし、優しく揉みしだく。 「んっ……あぁ……」 敏感な尖りを舌で転がすと、華凛が甘い声を漏らした。真人の指が、彼女の秘められた場所へと滑り込む。すでに濡れたその場所は、熱を帯びていた。 「……待って、真人さん……お願い……」 真人は自身を彼女の秘唇に押し当てた。ゆっくりと、丁寧に。華凛が息を詰め、やがて全身で受け入れていく。動き始めると、二人の吐息が練習場に響いた。 「あっ、あぁっ……んっ……!」 華凛の足が真人の腰に絡みつく。激しさを増す動きに、彼女の声が高くなっていった。 「真人さん……真人さんっ……!」 果てた瞬間、華凛は真人の名を呼びながら、彼にしがみついた。熱い飛沫が彼女の最奥に注がれ、二人はそのまま床に横たわった。 「……偽装だったはずなのに」 「ああ」 「……これから、どうなるのかしら」 真人は彼女の髪を撫でた。 「盤上の駒は、一度動けば戻れない。俺たちはもう、偽りだけでは終われない」 月光が鏡に映り込み、二人の姿を照らしていた。この夜から、関係は変わったのだ——偽りの恋人から、本物の情熱へと。
舞姫、盤上を制す
18+ NSFW小説ID: cmoikroab000e01qh8ue5ctcq

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