エラベノベル堂

舞姫、盤上を制す

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7章 / 全10

晃が残した名刺を、真人は何度も見返していた。裏社会の利権——その言葉が、頭から離れない。単なる家同士の縁談かと思われていた状況が、実はもっと深い闇を孕んでいるとしたら。真人はスマホを取り出し、将棋部のグループチャットを開いた。 「九条雅之という男について、何か情報を持っている人はいないか?」 ——数分後、返信が来た。OBの先輩で、今は都内の商社に勤める田崎からのメッセージだ。 「九条? 聞いたことあるぞ。うちの取引先の関連企業の役員息子。評判は最悪だ。金の流れが怪しいという噂が」 「詳しく教えてくれ」 「あいつ、表向きはエリートだけど、裏で古美術品の売買をしてるらしい。正規ルートじゃない、闇の市場にな」 ——晃の言葉と符合する。真人はさらに情報を集めるべく、別のルートも動かした。大学の先輩で、今は弁護士事務所に勤務する女性に、九条の実家の法務状況を調べてもらった。 「城ノ内くん、これ本当はやってはいけないことなんだけど……九条家、過去に相続をめぐる訴訟が何件もあるわ。すべて示談で終わってるけど、内容は不自然な点が多い」 真人は情報を整理した。九条は表向きは清廉なエリート。だが裏では、古美術品を通じた不正な金の流れに関わっている。そして藤代家の隠された財産——それが目的なのか。電話が鳴った。華凛からだ。 「真人さん……今日、会える?」 声は緊張を孕んでいた。 「ああ。いつもの場所で」 三十分後、真人のマンションに華凛が現れた。彼女は疲れた表情をしていたが、瞳には決意の色があった。 「お母様が……九条さんと話しているのを聞いてしまった。古い文書の話。家の蔵にあるものを、結婚したら渡すという話だったわ」 「やはりか」 真人は晃の情報が正しかったことを確信した。九条は華凛ではなく、藤代家の財産が目的なのだ。 「華凛、俺はこれから動く。九条の不正を暴く」 真人は彼女の手を握った。 「信じてくれるか」 「……ええ。あなたを信じる」 華凛が真人の胸に体を預けた。静かな夜、彼女の温もりが心地よい。 「真人さん……私、怖いの。でも、あなたがいれば……」 真人は彼女の顎を上げ、唇を重ねた。服が脱がされ、華凛の白い肌が露わになる。胸の先端を舌で転がすと、彼女の甘い吐息が漏れた。 「んっ……あぁ……真人さん……」 真人の指が、彼女の濡れた秘所へと滑り込む。 「あっ、そこ……んんっ……!」 「もうこんなに濡れてる」 「だって……あなたに触れられると……我慢できないの……」 真人は自身を彼女の秘唇に押し当て、ゆっくりと沈み込ませた。 「あぁぁっ……! んっ、あっ……!」 華凛の背が弓なりに反り、嬌声が部屋に響く。 「あっ、あぁっ! 真人さん、好き……愛してるっ……! もっと、もっと深く……!」 激しくなる動きに、二人の吐息が重なる。 「華凛……俺もだ……!」 「あぁぁぁっ——っ!」 果てた瞬間、熱い飛沫が彼女の最奥に注がれた。夜が更けていく。真人は窓の外を見上げた。盤上の駒は、動き出している。

7章 / 全10

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