凪の決意に呼応するように、部屋の空気がざわめいた。窓の外に揺らめいていた無数の影が、ゆっくりと室内へと滲み込んでくる。 「来て……あなたたちの未練、全部受け止める」 彼女はそう囁くと、震える指先でスカートのホックにかけた。布がするりと滑り落ち、白い太ももが露わになる。 「本当によいのか?」 輝の声が脳内で静かに響く。 「うん。彼らが求めているのは、私の体じゃない。温もりと、救いなんだよね」 凪は深く息を吸い込み、ショーツのゴムに指をかけた。ゆっくりと、丁寧に、それを膝まで下ろす。秘められた場所が空気に触れ、彼女は恥じらいながらも太ももを開いた。 「おいで……」 その瞬間、部屋の隅から三つの影が現れた。男たちの霊だった。一人は若く、一人は中年で、もう一人は老人の姿をしている。彼らは凪に近づくと、その場に膝をついた。 「ありがとう……ありがとう……」 しわがれた声が重なる。先ほどまでの暴力的な欲望は消え失せ、そこにあるのは切実な執着だけだった。 「妻に……最後に触れたかった」 「娘に……謝りたかった」 「愛した人に……さよならを言いたかった」 凪は涙を滲ませた。 「うん、わかった。みんな、近くに来て」 最初に近づいてきたのは、中年の男の霊だった。彼は震える手で凪の頬に触れた。 「温かい……生きているんだな」 彼の指が鎖骨を滑り、胸のふくらみを愛おしむように撫でる。 「怖くないの?」 凪が問うと、男は悲しげに微笑んだ。 「怖いよ。でも、このままじゃ永遠に彷御うことになる」 男の体が重なってくる。冷たいはずなのに、不思議と温かみを感じた。彼の唇が凪の首筋に触れ、熱を帯びた吐息がかかる。 「入れさせてくれ……最後の時を」 凪は目を閉じ、小さく頷いた。男の熱く滾ったものが、凪の秘められた入り口に触れる。訪れる者を待つ小さな花のつぼみが、露に濡れて震えていた。 「んっ……」 男がゆっくりと沈み込んでくる。凪は快感と切なさで身を委ねた。
宿霊の凪
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