エラベノベル堂

不良少女と年下たち

18+ NSFW

小説ID: cmousuhfa000o01qa3fzr7r1y

3章 / 全10

放課後のチャイムが鳴り響くと、俺はすぐに教室を飛び出した。友人たちの誘いも適当に断って、まっすぐに旧校舎裏へ向かう。心臓が早鐘を打っていた。彼女は本当に待っているのか。それとも、ただの悪戯だったのか。旧校舎の裏に着くと、一見、そこには誰もいないように見えた。やっぱり、そうだろう。俺は馬鹿みたいに待たされて、笑いものになるだけなんだ。そう思って踵を返そうとした時だった。 「遅い」 背後から声がして、俺はビクッと肩を震わせた。振り返ると、凛月先輩が壁の陰から姿を現した。日陰の中で、彼女の瞳だけが鋭く光っている。 「せ、先輩……」 「何びびってんの。呼び出し、初めて?」 彼女はクスクスと笑いながら、ゆっくりと俺に近づいてきた。ピアスが夕日に照らされてキラリと光る。 「あの、本当に待っててくれたんですね」 「約束したでしょ。私は嘘はつかない」 彼女は俺の目の前に立つと、不意に手を伸ばしてきた。触れた指先は、思っていたよりも温かく、意外なほど繊細だった。 「あんたさ、名前なんて言うの」 「え……悠陽です。原田悠陽」 「悠陽……ふうん、可愛い名前」 可愛いなんて言われたことない。男に向ける言葉じゃないだろう。そう思ったけれど、彼女の口から出ると不思議と悪い気はしなかった。 「先輩、あの……」 「ん? 何。言いたいことあるなら言いなよ」 俺は深呼吸をした。この状況で何を言えばいいのか分からない。でも、伝えたいことはあった。 「先輩のこと、もっと知りたいです。噂とか、本当なのかどうかとか……」 彼女はニヤリと笑った。危険な、でも美しい笑みだった。まるで獲物を見つけた捕食者のような、熱っぽい眼差し。 「知りたい、か。いいわよ。教えてあげる」 彼女の手が、俺の髪を撫でた。優しく、ゆっくりと。子供をあやすような手つきだった。 「あんた、本当に可愛いね。こういうの、初めて?」 「え、あ……はい」 「素直でいいわね。気に入った」 彼女は俺の耳元に唇を寄せた。吐息がかかる距離。甘い香りが鼻腔をくすぐる。 「……俺のこと、からかってるんですか」 「からかう? 違うわよ。私は真剣」 彼女の瞳が、俺を覗き込んでいた。底知れない暗さと、どこか艶めいた輝きがあった。 「悠陽。あんた、私のこと好きなんでしょ」 心臓が跳ねた。図星だった。否定できない。 「……はい」 「じゃあ、私の言うこと聞ける?」 「え……」 「返事は?」 彼女の声は甘く、でも逃げられない響きを持っていた。 「……はい、聞けます」 「いい子」 彼女は満足げに微笑むと、また髪を撫でた。その手つきは、まるで所有物を確認するかのような支配的な優しさだった。 「じゃあ、また明日もここに来て。いいわね」 「はい」 俺は頷くことしかできなかった。彼女のペースに完全に巻き込まれている。でも、それが心地いいと感じている自分もいた。 「あ、そうそう」 彼女は立ち去り際に振り返った。夕日を背に、彼女のシルエットが妖しく浮かび上がる。 「悠陽。あんた、他の女の子に優しくしないでね」 「え……」 「私のものなんだから」 彼女は艶やかな笑みを残して、去っていった。俺はその場に立ち尽くしていた。彼女のもの。その言葉が、頭の中で反響していた。恐怖と興奮が混ざり合った奇妙な感覚。俺は、とんでもないことに巻き込まれたのかもしれない。でも、もう逃げられない気がしていた。

3章 / 全10

TOPへ