エラベノベル堂

聖夜の訪問者

18+ NSFW

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4章 / 全10

呼び出し音が冷たい夜気の中に響き渡る。咲花は祈るように携帯を握りしめ、裕太はその様子を黙って見守るしかなかった。 「頼む……出て……出てよ、翔太……」 彼女の声は震えていた。寒さのためか、恐怖のためか。数秒後、電話が繋がった。 「もしもし!翔太?私、咲花だよ。今、あなたのアパートの前にいるの」 彼女の声が弾む。しかし、電話の向こうから聞こえてきたのは、どこか他人行儀で冷ややかな男の声だった。 「……咲花?なんでそこにいるんだ」 「サプライズで会いに来たの!クリスマスイブだし……一緒に過ごしたくて」 男の沈黙が流れる。それは拒絶の前兆だった。 「悪いけど、もう帰ってくれ」 「え……?どういうこと?」 「俺たち、もう終わったんだよ。わかってるだろ?」 「終わったって……私、何も聞いてないよ?」 「連絡しなかったのが答えだろ。言わなくてもわかると思った」 咲花の顔から血の気が引いていくのがわかった。 「待って……そんな……私、あなたに会うために、この格好で……寒い中、ずっと……」 「ごめん。じゃあな」 プツンと通話が切れた。電子音だけが残る。 「……嘘」 咲花はスマホを落としそうになりながら、その場に立ち尽くした。 「嘘……そんなのって……」 大粒の涙が彼女の頬を伝い、サンタ衣装の赤い襟元を濡らしていく。寒さとショックで、彼女の体は小刻みに震えていた。 「ねえ……どうして……私、何したの……?」 裕太はどうすればいいのかわからず、ただ彼女を見つめることしかできなかった。雪が彼女の肩に積もり始めている。 「あの……大丈夫?」 「大丈夫じゃない……大丈夫なわけないよ……」 彼女は膝を折り、雪の積もる地面にしゃがみ込んだ。赤いスカートが雪に触れ、白い脚がさらに寒さに震える。 「とりあえず、中に入りなよ。寒いだろ」 裕太は彼女の腕をそっと掴んだ。 「いや……私、ここにいる……翔太が戻ってくるかも……」 「戻ってこないよ。もう行こう」 咲花は抵抗したが、体は寒さで思うように動かなかった。裕太は彼女を支えるようにして、自分の部屋へと導いた。 「暖かい飲み物でも飲んで。落ち着こう」 震える彼女を背中から押し、部屋の中へと招き入れる。裕太は、この夜がただの孤独な夜で終わらないことを予感していた。

4章 / 全10

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