「ちょ、ちょっと落ち着こう」 悠真は花音を壁際に引き、声を低めた。心臓が早鐘を打っている。目の前の花音は、ボディスーツとショートパンツという過激な姿で、無邪気な笑みを浮かべている。 「どうしたの?悠真くん、変だよ」 花音が小首をかしげ、華奢な指先で悠真の袖を引いた。 「変なのはそっちだろ……その服、目立ちすぎる」 「え?そうかな。似合ってると思うけど」 彼女は悪びれもせず、むしろ嬉しそうに自分の体を見下ろした。ボディスーツの生地が胸のふくらみを強調し、呼吸に合わせてわずかに上下する。悠真は視線を逸らした。 「とにかく、行くぞ。服屋だろ?」 「うん!」 花音が満面の笑みで頷き、悠真の腕に自然と自分の腕を絡ませた。柔らかな感触が腕に伝わり、甘い香りが鼻腔をくすぐる。悠真は息を詰めながら、歩き出した。ショッピングモールは、日曜日の賑わいを見せていた。吹き抜けの天井から降りる光、ショップから流れる音楽、行き交う人々の話し声。花音は悠真に密着したまま、次々と店を回っていく。 「これ可愛い!これも!」 彼女が手に取るのは、どれも露出の多い服ばかりだった。深く開いた胸元、背中が大きく開いたトップス、脚を強調する短いスカート。悠真は彼女が選ぶ服を見るたび、喉が渇くのを感じていた。 「ねえ、これ試着していい?」 花音が選んだのは、胸元が大きく開いた黒のキャミソールと、極端に短いフレアスカート。 「ああ、いいけど……」 悠真は試着室の外で待つことになった。壁にもたれかかり、深く息を吐く。中から衣擦れの音が聞こえる。布が肌を滑る音、留め具が外れる音。想像力が勝手に膨らんでいく。 「悠真くん、見て」 カーテンが開き、花音が姿を現した。黒のキャミソールは胸元が大きく開き、ふくらみの上部が露わになっている。細い肩紐が華奢な肩にかかり、スカートは太ももの付け根ギリギリの長さ。彼女は悠真の前に立ち、くるりと回ってみせた。 「どう?似合う?」 スカートがふわりと舞い上がり、ほんの一瞬、脚の付け根が見えそうになる。悠真は息を詰めた。 「……似合う、けど」 「じゃあ、これ買おうかな」 花音は無邪気に笑い、試着室へと戻っていった。悠真は熱い吐息を漏らした。それから数時間、花音は次々と服を試着し、そのたびに悠真に見せつけてきた。胸元が開いたニット、背中が大きく開いたワンピース、体にフィットするタイトなドレス。どれも彼女の体のラインを強調し、悠真の理性を削り取っていく。 「悠真くん、これも見て」 最後に彼女が選んだのは、深い青色のボディコンシャツ。胸元から太ももの付け根まで、体の曲線がそのまま浮き上がるデザイン。彼女が試着室から出てきた瞬間、悠真は悟った。これは、ただの買い物ではない。花音の行動には、明確な意図がある。露出の多い服で悠真の理性を揺さぶり、反応を引き出そうとしている。幼馴染としてではなく、一人の女性として、悠真に意識させようとしているのだ。 「……花音」 悠真が名前を呼ぶと、花音はボディコンシャツのまま、真っ直ぐに見つめ返してきた。その瞳の奥に、静かな熱が揺れている。 「なに?」 悠真は答えられなかった。喉が張り付いたように言葉が出ない。ただ、彼女の意図を悟ったことだけが、胸の奥で重く響いていた。 「もう、帰ろうか」 花音が静かに言い、試着室へと戻っていった。悠真は大きく息を吐き出した。このままでは、何かが壊れてしまう。その予感が、胸を埋め尽くしていた。
ワンピースの向こう側
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