エラベノベル堂

瓜二つの部下

18+ NSFW

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第4章 / 全10章

午後の業務が始まり、正樹は書類の作成に集中しようとしていた。しかし、朝から続く動揺は収まる気配がない。キーボードを打つ指先が時折止まる。隣のデスクで陽葵が真面目に仕事をこなす姿が、視界の端にちらつくからだ。 「先輩、すみません。コピーをお願いしてもいいですか?」 陽葵の声に、正樹は顔を上げた。 「ああ、いいよ。何部必要?」 「十部お願いします。紙が詰まってて……私じゃ直せなさそうで」 彼女は困ったように眉を下げた。その表情の愛らしさに、正樹は一瞬見とれそうになる。 「分かった。見てくるよ」 正樹は席を立ち、オフィスの隅にあるコピー機へ向かった。陽葵がその後ろをついてくる。 「ここなんです。エラーランプが点いてて」 「どれどれ……」 正樹が機械の前面を開けて中を覗き込もうとした時だった。 「あ、私も見ます」 陽葵が隣に屈み込んできた。その拍子に、彼女のスカートの裾が少しだけ持ち上がる。正樹の視線が無意識にそこへ向けられた。純白の布地が一瞬だけ覗く。白。雪のように清潔な、透き通るような白——。 正樹の脳裏に、強烈な映像が閃光のように蘇った。彼が最も愛した作品。そのヒロインが身につけていた下着と、全く同じ色。作品中、その白さが映える場面を何度も見返した。スカートが翻る瞬間のあの感触。熱い吐息。記憶の中の映像と、目の前の光景が重なり合う。 「先輩、直りそうですか?」 陽葵の無邪気な問いかけが、鼓膜を震わせた。正樹は慌てて視線を逸らした。 「あ……うん、多分。ちょっと待って」 彼は機械の奥に手を伸ばし、詰まった用紙を引き抜いた。心臓が早鐘を打っている。指先が震えそうになるのを必死に堪えた。偶然だ。白なんて、ありふれた色じゃないか。でも、あの質感。あの淡い光沢。記憶の中のそれと酷似していた。 「ありがとうございます!先輩、やっぱり頼りになりますね」 陽葵が屈託なく笑う。正樹は曖昧な笑みを返すのが精一杯だった。コピー機が唸りを上げて動き出す音が、静かなオフィスに響く。正樹は機械の操作パネルを見つめながら、深く息を吐いた。この先、彼女とどう向き合っていけばいいのか。理性を保てる自信が、少しずつ削り取られていくのを感じていた。

第4章 / 全10章

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