エラベノベル堂

記憶を染める和紙

18+ NSFW

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6章 / 全10

陸は震える指先で、日記の表紙をめくった。最初のページには、達筆な文字で日付が記されていた。大正十二年、四月——百年前の日付だ。『今日、旦那様に見初められた。お茶を淹れていると、背後から熱っぽい視線を感じた。振り返ると、旦那様がすぐ近くにいらした。 「きみは美しいな」 とその言葉に、心臓が高鳴った』陸は眉をひそめながらページをめくる。日記の主は、政治家に仕える女給だったらしい。『五月三日。旦那様が私を書斎にお呼びになった。お茶を淹れ終えると、膝に手を置かれた。 「もっと近くへ」 と言われ、身体が震えた。でも、嬉しかった』日を追うごとに、内容は過激になっていく。『五月十五日。書斎で、旦那様に抱かれた。最初は痛かったけれど、やがて身体が溶けるような快感に襲われた。旦那様の指が私の秘められた場所を愛撫し、声を抑えられなかった』陸はごくりと唾を飲み込んだ。日記の文字は、まるで生きているかのように熱を帯びているようだった。『六月二日。旦那様のお客様がいらした夜、私は別室へ通された。お客様にも奉仕するように命じられた。最初は戸惑ったが、二人の男に抱かれ、私は何度も昇り詰めた。旦那様の目の前で、私の秘所は濡れそぼり、白い液で満たされた』陸の胸の鼓動が速くなる。日記の文章からは、女給の悦びと恍惚が滲み出ていた。 「……結ちゃん、これを読んで気を失ったのか」 横たわる結の顔をちらりと見る。彼女の表情は、まだ夢見心地のままだった。陸は日記を閉じようか迷った。けれど、好奇心が勝った。最後まで読まなければ、何が起きているのかわからない。彼は震える指で、次のページへと手を伸ばした。

6章 / 全10

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