翌朝の光は、昨日より少しだけ柔らかく見えた。俺はまだ眠気の残る目でパソコンを開き、立ち上がる画面に指先を置いたまま、しばらく息を整える。昨夜までに整えたサイトの形は悪くない。だが、待っているだけでは誰にも届かない。 「外に出さないとな」 ひとりごとを落とすと、机の上のメモが目に入った。関連情報の一覧、紹介文の案、置き場所の順番。宣伝文句みたいに押しつけるのではなく、見つけたい人が迷わず辿れる道を作る。その考え方に変わってから、作業の見え方が少し変わった。 俺はまず、サイトの内容を短くまとめた紹介文を打ち直した。派手な言い回しは削る。けれど、ただ無味乾燥に並べるだけでは、何の場なのか伝わらない。読む人が一目で入口を見つけられるように、言葉の温度を少しだけ残す。 次に、関連情報の一覧を整理した。どのページから入っても、同じ名前に行き着くこと。更新の場所が分かること。作品を探す人が、必要な情報を順に拾えること。俺は順番を入れ替え、重なりそうな説明を削り、見返したり直したりを繰り返した。 「これなら、ただの押し売りには見えない……はず」 独り言に自信はなかったが、完全な迷いでもなかった。外に知らせるという行為は、ただ声を張ることじゃない。探している人の手元へ、必要な案内を置くことだ。ようやくその感覚がつかめてきた。 カーソルを止めて画面を見つめる。紹介文は整った。一覧も揃った。あとは投稿する前の最終確認だけだ。俺は深く息を吐き、まだ白いままの欄をじっと見た。 「見つけてもらうための導線、か」 口にした言葉が妙にしっくりきて、少しだけ笑ってしまう。派手さはなくてもいい。必要な人が、必要な場所へたどり着けるならそれでいい。 そう思いながら、俺は次の一行を打ち込もうとした。
検索に届く導線
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