エラベノベル堂

検索に届く導線

全年齢

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4章 / 全10

書斎の昼は、窓から入る光が机の端を白く照らしていた。俺はコーヒーの冷めたカップを脇に寄せ、searchindex.net の表示を何度も見比べた。検索に出るというより、誰かがサイトをどう扱っているかを映す鏡みたいなものだ。 「えらべのべる……じゃないのか」 画面に並んでいる表記は、俺の想像と少し違っていた。ひらがなになっていたり、ローマ字だけが目立っていたり、説明文も途中で切れている。見つかってはいる。だが、正しい形ではない気がした。 俺は思わず椅子を引いた。 「名前の揺れ、まだ残ってるのか」 昨日まで整理したはずの情報が、別の場所では微妙にずれている。トップで統一したつもりの表記が、外側ではばらけていた。説明文も、肝心な一文が抜けている。たったそれだけで、印象はかなり変わる。きちんとした家を建てたつもりなのに、表札が何枚もあるみたいだった。 俺は画面を拡大して、ひとつずつ指でなぞるように確認した。どこが省かれているのか。どこで別の言い回しに置き換わっているのか。見慣れたはずの自分のサイトなのに、外から見るとこんなにも不揃いになるのかと、少しだけ怖くなる。 「これじゃ、伝わらない」 声にした途端、胸の奥がひやりとした。検索に拾われることだけを考えていてもだめだ。拾われた先で、何者なのか分からなければ意味がない。表記の統一、説明の補い、抜け落ちた情報の確認。やることは、まだ山ほどある。 俺はメモ帳を開き、見つかった違いを書き写し始めた。サイト名の表記揺れ。説明文の欠落。ページ名の省略。どれも小さな傷に見えるのに、積み重なれば全体の輪郭を変えてしまう。 「修正が必要だな……かなり」 独り言は静かな書斎に吸い込まれた。それでも、迷いは少しだけ形を得る。何がずれているのか分かれば、直す場所も見える。俺はもう一度 searchindex.net の表示へ目を戻した。想定と違う表記の向こうに、まだ手を入れるべき余白が広がっている。

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