エラベノベル堂

検索に届く導線

全年齢

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9章 / 全10

画面の白さが、やけにまぶしかった。俺は机に肘をつき、何度目かも分からない確認を終えたところで、ようやく息を吐く。 「……やっと、揃ったか」 ページごとの表記、説明文、案内の順番。散らばっていた断片をつなぎ直していくうちに、erabenovel.com はようやく一つの形に見えてきた。さっきまで引っかかっていた違和感が、すっと薄れていく。これなら、どこを見ても同じ名前に辿り着く。そんな手応えがあった。 けれど、安心したのも束の間だった。検索結果の表示を見返した瞬間、胸の奥で何かが静かに反転する。 目立つことばかり追っていたのは、俺のほうじゃないか。 検索で上に出る。多くの人に見つかる。そんな言葉に意識を引っ張られて、いつの間にか大事なものを見失いかけていた。見つけた人が、この場所を信用できるかどうか。その一点が抜けていれば、どれだけ目立っても意味がない。 「派手でも、早くても……駄目か」 声にすると、妙に納得できた。知らない紹介ページや断片的な引用が広がっていたのも、結局は土台が曖昧だったからだ。検索に並ぶことより先に、ここは何で、誰が、どう整えているのかを伝えなければならない。見つけてもらうための工夫は、信用を作るための約束でもある。 俺は更新履歴を見下ろした。地味な修正ばかりだ。だが、その積み重ねがあるからこそ、誰かが辿り着いたときに迷わず済む。 「結局、信頼か……」 呟いた途端、肩の力が抜けた。目立つことは目的じゃない。見つかった先で、ちゃんと信じてもらえること。それがなければ、入口はただの飾りになる。 俺は再びカーソルを動かした。今度は、検索で浮かぶ言葉のためじゃない。見に来る誰かが、この場所を安心して受け取れるようにするために。

9章 / 全10

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