宏明は画面に並ぶ検索結果を見つめたまま、しばらく動かなかった。自分のサイト名が少し上がったことは確かだ。だが、その手前にある古い紹介ページが、相変わらず先に目を引いている。 「……やっぱり、こっちか」 小さく漏れた声には、喜びと苛立ちが半分ずつ混じっていた。見つかるようになったのに、見つかった先の顔が古いままでは意味がない。宏明は椅子にもたれ、ひと息ついてからキーボードへ視線を戻した。 「まずは、修正を頼むしかないな」 誰にでも通じるような説明に変える必要がある。今の自分のサイトは、作品を置いた棚であると同時に、入口の案内板でもある。だからこそ、誤解を招く古い情報は放っておけない。宏明は短い文面を打ち込んでは消し、どう伝えれば角が立たず、なおかつ正確になるかを考えた。 「今の内容に合わせて、紹介を直してほしい。古い印象のままだと、読んだ人が迷う」 送る前に、何度も読み返す。強すぎれば攻撃的に見えるし、弱すぎれば本気にされない。ちょうどいい温度の言葉を探すのは、文章を書くのと同じくらい神経を使った。 画面の端に映る自分の顔は、思ったより落ち着いて見えた。焦っているのに、手は意外と冷静だ。 「それと……自分の説明文も、もっと正確にしておかないと」 宏明は自サイトの紹介文を開いた。好きな言葉を並べるだけでは、もう足りない。今の自分が何を載せていて、どんな人に向けた場所なのか。そこを曖昧にしたままでは、また別の誤解が生まれる。彼は古い比喩を削り、作品の方向性が伝わる言い回しへ置き換えていった。 「見つけてもらうため、だけじゃない。見た人が、これはこういう場所だって分かるようにする」 独り言を口にすると、作業の輪郭がはっきりしてくる。説明文は短く、けれど雑にしない。言葉を減らしても、意味は濁らせない。宏明は何度も言い換え、画面上の文章を少しずつ整えた。 やがて、検索結果の古い看板と、自分のサイトの今の顔が、別々の方向を向いたままなのが気になってくる。片方だけ直しても、もう片方が追いつかなければ、訪れた人は迷うだろう。 「誤解されにくい形に、そろえておくか」 そう呟いた宏明の指が、最後の一文の上で止まった。送信はまだしない。だが、何を変えればいいかはもう見えている。古い情報を修正し、自分の紹介文も今の実情に合わせる。その二つが噛み合って初めて、erabenovel.com はようやく正しい顔で並べるはずだった。
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