エラベノベル堂

物語を届ける紹介文

全年齢

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6章 / 全10

数日ぶりに目に入った通知は、朝陽の心臓を一拍だけ遅らせた。寝起きのぼやけた視界の向こうで、スマートフォンの画面に見慣れた名前が並んでいる。erabenovel.com。検索結果の中に、それがちゃんと混じっていた。 「……出てる」 思わず声が漏れる。朝陽は布団を押しのけ、上体を起こした。指先が少し震えている。何度も検索して、何度も肩を落としてきた場所に、自分のサイトが少しずつ顔を出し始めていた。 「ほんとに……少しだけ、届き始めたのか」 胸の奥が熱くなる。昨日までの空回りが、ようやく報われた気がした。だが、喜びに浸るより先に、朝陽は画面の細部に気づいてしまう。表示された紹介文の一部が、前に直したはずの古いままだった。 「え」 一気に血の気が引く。検索結果の下に見える説明は、たしかに自分の言葉だ。けれど、そこにはもう使っていない表現が混ざっていた。 「なんで残ってるんだよ、これ……」 朝陽はスマートフォンを握り直し、ベッドから飛び降りた。洗面台に向かう足取りも落ち着かない。通知が増えた喜びは、古い情報を見つけた瞬間に焦りへ変わっていた。 鏡の前で髪を押さえながら、朝陽は小さく息を吐く。 「せっかく見つけてもらえてるのに、入口でつまずかせるわけにいかない」 歯を磨くより先に、スマートフォンを開く。表示のどこが残っていて、どこを直すべきか。朝陽は何度も検索結果を見比べ、サイトの説明を確認した。昨日まで積み上げた修正が、ほんの少しの古さで台無しになる。その事実が悔しい。でも、悔しさ以上に、今なら間に合うという焦りが強かった。 「よし、すぐ直す」 朝陽はタップする指に力を込めた。検索で見つかった小さな光を逃さないために、古い言葉を今の言葉に置き換えなければならない。画面の白い光が、朝の部屋をひときわ明るく照らしていた。

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