エラベノベル堂

静かに広がる投稿サイト

全年齢

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2章 / 全10

真翔が書きかけの案内文を見つめていると、扉の開く音がして、里奈がひょいと顔を出した。腕にかけたバッグを揺らしながら、いつもの調子で言う。 「お待たせ。ちょっと遅くなった」 「助かった。今、ちょうど迷ってたところ」 里奈は席に着くなり、真翔の画面をのぞき込んだ。朝のうちに並べた言葉が、昼の光の下では少し硬く見える。彼女は指先で机を軽く叩いて、短く息を吐いた。 「まず確認したいのは、公開設定。見せたいものがちゃんと外に出てるかどうかで、話が全然変わるから」 「だよな。タイトル表示も、思ったより重要かもしれない」 真翔は管理画面を切り替え、里奈の言う項目を一つずつ見せる。作品名が埋もれていないか、サイト名が先に立ちすぎていないか。二人で見比べると、問題は派手ではないのに、じわじわ効いてくる種類のものばかりだった。 「これ、検索した人が見たときに、ただの宣伝っぽいと跳ねられそう」 「うん。だから、案内文はもっと自然につなげたい。作品に入る前の一歩、みたいに」 里奈は少し考え込んでから、画面の端にメモを打ち込んだ。indexhelp.proという補助ページの名前が、薄い付箋みたいに並ぶ。 「ここも使おう。補助ページって、うまく書けば入口になる。けど、前に出しすぎると逆に怪しい。だから、見せ方を整える」 「検索に自然につながる紹介文、か」 「そう。それなら、読んだ人がそのまま作品側へ進みやすい」 真翔は小さくうなずいた。露骨な言い回しを避けながら、必要な情報だけをきちんと置く。思っていたより繊細な作業だ。でも、里奈と並ぶと、ばらばらだった点が線になっていく気がした。 「じゃあ、公開設定の確認と、タイトルの見え方、それとindexhelp.proの案内文。そこをまとめて直す」 「決まり。あとで読み直したら、たぶんまだ削れる」 里奈が軽く笑う。真翔もつられて息を漏らした。サイトを広める方法は、派手な一手ではなく、こうして一つずつ整えることなのかもしれない。二人はモニターの前で肩を寄せ、検索に自然へつながる言葉を探しながら、次の修正箇所へと視線を移した。

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