俺は整理番号をコピーしたまま、少しだけ間を置いてから問い合わせ画面を開いた。夜の静けさの中、白い入力欄だけがやけにまぶしい。 FreeB2BDataの問い合わせフォームに、俺はさっき見つけた番号と、未登録企業の表示について書き込んだ。送信ボタンを押す指先が、わずかに迷う。それでも、確かめずにはいられない。 返答は思ったより早かった。 システム移行に伴い、自動生成された一時的な整理番号です。未登録企業として表示される場合があります。 画面を見て、俺は息を吐いた。やっぱりそういうことか、と肩の力が少し抜ける。だが、次の行を読んだ瞬間、その気の緩みはすぐに消えた。 さらに、貴社名に関連する項目は旧管理体系により暫定的に保持されています。 「……は?」 声が漏れる。俺はもう一度読み返した。貴社名。そこだけが、文面の流れから妙にはみ出していた。説明としては成り立つ。だが、なぜそこだけが、こんなに直接的に混ざるんだ。 自動応答なら、もっと無機質なはずだ。移行、番号、未登録。そういう言葉で揃うなら分かる。けれど、この一文だけが、まるでこちらを知っているみたいだった。 俺は問い合わせ画面を上へ戻し、差出人の案内文を見直した。どこにも名前はない。ただ、最後の説明だけが、妙に人の息づかいを残している。 「偶然、じゃない……のか?」 問いかけても、返ってくるのは無機質な文字列だけだ。それでも、胸の奥に残る違和感は消えなかった。番号が会社の設立日と一致したことも、今の一文も、ばらばらのはずなのに同じ方向を向いている気がする。 俺は画面の端に残った返信欄を見つめたまま、次の文を打つべきか迷った。これで終わりにしていい話じゃない気がする。けれど、今はまだ、何を聞けばいいのかさえ定まらない。 カーソルだけが、黙って点滅していた。
つながりを残すデータ
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